医接連携とは?

患者さん・接骨院・病院すべてにメリット

医接連携は、医療機関と接骨院の連携を意味します。

「ちょっとした痛みであれば、病院ではなく接骨院に行く」という方は珍しくありません。接骨院は身近で行きやすい場所として、地域のみなさんに親しまれています。ここで大切なのは、お医者さんにしか治療できないような病気やケガが隠れていないか、接骨院でその可能性に気付くことです。可能性があれば、速やかに然るべき科へ紹介することが求められます。

柔道整復師は整形外科の一部(骨折や脱臼など)を業務範囲として認められているため、主に整形外科との連携を行いますが、稀に脳血管疾患や内科系の疾患が疑われる症状の方が来院されることもあり、紹介先はさまざまです。

骨折や脱臼が疑われる場合は、必要であれば整復や固定などの応急処置を行い、病院(整形外科)へ紹介します。病院では医師の指示のもと、レントゲン、CT、MRIなどの検査、入院や手術、整復、固定、投薬などが行われます。

診察の後は、医師の判断で接骨院への通院を勧められることもあります。
こうすることで、患者さんは家から近い接骨院へ安心して通うことができますし、接骨院は医師の指示で的確な施術を行えます。そして病院は重症度の高い患者さんや、薬などの必要な患者さんを中心に診療することができます。
このように、接骨院と病院が連携することで、患者さんを中心に良いことがたくさん起こります。

先輩たちの体験談

仕事を始めて気づく医接連携の大切さ

医接連携|体験談|米田柔整専門学校|柔道整復師と医師の関係

スポーツトレーナー帯同時、米田病院との医接連携は一番安心してもらえる。

目黒さん(ほての接骨院)

当院では小学生から中学生までを対象に週4回バスケットボール教室を開催し、身体の使い方やバスケットボールの基礎を教えています。週末を中心に、トレーナーとして試合に帯同している現場で、ケガをした子どもたちを病院に送る場合が多いのですが、米田病院との医接連携は保護者の方が一番安心していただけます。僕は米田病院に勤務させていただいていたので、どういう先生がおられるか細かい説明を保護者に対してできますし、連携中も情報提供書をきちんとやりとりするので、米田病院と当院の治療方針にズレがなく、患者さんも迷わず治療に専念できます。米田病院で患者さんがなかなか言えなかったことを当院で聞き出し、情報提供書に書いて米田病院に伝えたりもしています。例えば、接骨院や病院を転々とされ、なかなか痛みが取れない患者さんには、一度治療をさせていただいてから、精密検査を受けていただくようにお話しています。

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医接連携が必要なのは、ケガが原因ではない痛みや骨折・脱臼が疑われるとき。

齋藤さん(齋藤接骨院)

医接連携が必要なのは、まず骨折、脱臼の場合です。骨折や脱臼で来院された場合、徒手整復や固定などの初期対応を行います。その後、当院で経過観察を行うには医師の同意が必要となるため、患者さんに情報提供書をお渡しし、医科での御高診をお願いしています。他にも、患者さんにとっては、外傷と同じように感じる痛みでも、全く違う原因で痛みや腫れが生じている場合があります。接骨院で診るべきではない症例(帯状疱疹や痛風などの内科的疾患が疑われる場合やヘルニア等による神経症状が著明な場合など)は、早い段階で適切な病院へご紹介するようにしています。

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運動器のケガは、ほとんどが医師や設備が充実している米田病院と連携。

山北さん(山北接骨院)

米田病院は専門分野の医師やMRIをはじめとした設備が充実しているので、骨折に限らず画像検査が必要な症例や、前十字靱帯損傷など手術の可能性が高い症例、術後の後療法を踏まえて連携することも多いです。特に運動器のケガに関しては、通院に時間がかかっても米田病院と連携をする必要性を患者さんに説明し、ご紹介しています。一見、運動器の整形外科疾患に見えるものの内科の疾患が疑われる症例は、内科の病院と連携を取ることもあります。

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今後の医療人人生において、とても大きな体験。

鈴木さん(元 米田病院リハビリテーション科)

勤務先の米田病院では、医師を中心に柔道整復師のスタッフが研究・発表を行っています。自分の発表テーマとなった「腰椎分離症」は学童期の子どもに多い病気で、病院で診察を受けた時は既に骨折してしまっている人が多いのが現状です。そんな状態になる前に、接骨院がフィルターとなり病院へ紹介することで、骨折が完成してしまう前に適切な治療を受けていただくことができます。今回の発表では、どのような症状があれば病院に送るべきなのか?ということを課題として、研究を行いました。

柔道整復師にとっての医接連携

患者さんに信頼してもらえる接骨院になるための第一歩

医接連携|米田柔整専門学校|柔道整復師と医師の関係

患者との密なコミュニケーションは接骨院の役割のひとつ。

目黒さん(ほての接骨院)

昔は接骨院で骨に異常がないかを確認し、異常があれば病院と連携する流れでしたが、今はまずレントゲンを整形外科で取り、骨に異常がない場合は接骨院で適切な処置を要請される逆のパターンも増えています。自分の院はスポーツをしている若い世代の患者さんがほとんどで、一人ひとりの患者さんと長い時は1時間ぐらい時間を取って、詳しい説明をしています。こんなに時間が取れるのは、接骨院ならではですね。

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接骨院がプライマリ・ケアの拠点になる。

齋藤さん(齋藤接骨院)

接骨院が地域医療に果たす役割は「プライマリ・ケア」だと思います。自分は、齋藤接骨院が今後患者さんにとって本当の意味で身近な存在であり、とにかく来院しやすい場所であり続けたいと考えています。「ここに来ればどうにかなる」「もしここでは治療できないことでも適切な病院を紹介してくれる」と信頼を寄せてもらえていることが、当院が存在している意味だと思っています。

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患者さんもメリットが大きい医接連携。

山北さん(山北接骨院)

米田病院へ患者さんを紹介する場合は、患者さんに説明し、同意を得た後、その場で病院に電話連絡し、初診の予約を取っています。こちらで紹介状を用意し、患者さんに米田病院へ持参していただきます。米田病院の場合、患者さんを紹介すると診断結果や治療計画が病院からFaxでお返しいただけます。骨折の場合は1週間~2週間ごとに病院で経過を観察し、日々のケアはこちらの接骨院で施術をするケースが多いです。次に米田病院へ来院するまでの2週間、固定をどうするか、リハビリをどうするかという治療計画を病院の方からいただき、こちらからも経過報告をし、また病院からも指示があるという密な連携を取っています。分からないところは電話で担当の先生に直接確認もできるので、自分の勉強になることも多く、もちろん患者さんにもメリットを感じていただいていると思います。

医接連携|米田柔整専門学校|柔道整復師と医師の関係

接骨院での「気づき」と連携が、重症化を防ぐ。

鈴木さん(元 米田病院リハビリテーション科)

病院での勤務を通して、できるだけ早い紹介・連携がとても大切であると痛感しています。接骨院では「この状態・症状なら病院に送るべき」という基準を持ち、迷わず紹介することが大切です。子どもは腰が痛いぐらいでは接骨院に行かずに我慢してしまいます。やっとのことで接骨院や病院に行った頃には既に骨折している、というケースもよくあります。接骨院と医療機関が、どこまでそれをフォローできるのかは、ご家族との良好なコミュニケーションにかかっていると感じています。

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